雑誌「これならできる特選スピーカーユニット パイオニア編 」の付録のスピーカーユニットと「スピーカー工作の基本&実例集2017年版 」の付録のQWT方式エンクロージュア・キットを組合せて夏休みに「手作りスピーカー」を作ろうという安易な企画ですが?
雑誌の紹介
Amazonへのリンクです。
これならできる特選スピーカーユニット パイオニア編 (ONTOMO MOOK)
スピーカー工作の基本&実例集2017年版 (ONTOMO MOOK)
2冊で8千円ほどしますが、私がキットで作ったパイオニアの10cmスピーカーだとナンダカンダで合計4万円以上したので、6cmとは言えかなりリーズナブルだと思います。
「手作りスピーカー」の楽しみ方
小口径フルレンジ・スピーカーの良さをフルに引き出せることと、キットを使えばエンクロージュアもさほど苦労せずに作れて、世界でただ一つの所有感が味わえる事だと私は考えています。
さらに「チューニング」や、その気になれば「改造」も楽しめますぞ。
手作りスピーカーで一番気になるのが「低音」なのですが、今回は雑誌の付録のキットを使うので方式を選べません。「QWT」という何やら怪しげな響きのある方式です。
と言っても私が学生の時に、つまり40年以上も前にすでに作っていた方式なので、自作派にとってはポピュラーな方式です。
当時は「TQWT」と呼んでいましたし、おそらく今でも「TQWT」がポピュラーな呼び方だとは思いますが・・・
「TQWT」は「テーパード・クォーター・ウェーブ・チューブ」の略で「QWT」は「テーパード」が省略されたものです。
冒頭のアイキャッチ写真の雑誌の表紙を見ると後半の3分の2はテーパーが付いているので、「TQWT」でも「QWT」でも良いと思います。今回は雑誌にならって「QWT」と呼びます。
QWTの特徴
昨年(2016年)の9月に書かれた同様の趣旨の実践記が以下です。
雑誌付録の8センチスピーカーとTQWTエンクロージャーで、まさかの低音を出す
昨年の付録のエンクロージュア・キットはバックロードホーン方式だったみたいで、この記事の筆者はその音がイマイチに感じてTQWTを自分なりに調べて自作したようです。
なのでかなり凝った作り方になっていますが、今回は付録のキットをそのまま作るだけなので簡単です。とは言ってもこの2冊の発売日は7月19日なのでまだ先ですが(Amazonで予約は可能)・・・
QWT方式の音の特徴を一言で言うと「柔らかい低音と拡がりのある中高音」です。
低音はエンクロージュアの方式でほぼ決まりますが、私が40年前に自作したTQWTはまさに上記の記事に書いてあったものとほぼ同じのトールボーイ・タイプでした。
違うのはスピーカーの口径が16cmと大きかったことですが、当時は16cmが標準的な口径でした。
スピーカー・ユニットは最初はコーラルのフラット6から始めて、三菱やパイオニアを経て落ち着いたのがフォステックスのFE166でした。
これは絶対的なものではなく、個人の音の趣味によるので、気になれば取り換えて聴き比べると良いと思います。
スピーカー・ユニットの私的感想
今回の雑誌に付録で付いてくるユニットはパイオニアの6cmですが、もうひとつの雑誌にはフォステックスの8cmが付いてきます。
ここでやや不安になるかとは思いますが、低音に関してはパイオニアの方が出ます。
理由は、私が現役で聴いているパイオニアの10cmとフォステックスの10cmを比べると明らかにパイオニアの方が低音が出ます。同じバスレフの小型のエンクロージュアでのことですが・・・
フォステックスは低音を増強するためにJSP方式のエンクロージュアを以下のサイトや他の自作記事を参考に一から自作しました。
http://www.jsplab.jp/hint/
写真は以下です。下は実際に設置している押し入れの中の様子です。
体積はパイオニアのエンクロージュアの4倍以上あります。つまり、フォステックスのユニットは中高域は好みですが、低音は今までにかなり苦労してきました。
フルレンジ・スピーカーの場合は多かれ少なかれこのような悩みに直面すると思います。
小口径フルレンジ・スピーカーの楽しみ方
私の場合のメイン・スピーカーはDALI ZENSOR1というヨーロッパ製のエントリー・モデルです。
DALI【Zensor1】はコスパ抜群のオーディオスピーカー
上記の記事中に、メインのDALIと、サブのパイオニアとフォステックスの10cmフルレンジと、PCスピーカーのBOSEの4機種の音を、同じソースで演奏したものを録音したmp3へのリンクがあるので聴き比べられます。
ヘッドフォンで聴いても実際の方が低音は出ているように感じますが・・・
サブが先ほど紹介したパイオニアとフォステックスの10cmフルレンジなのですが、実はフルレンジの方がどちらも合計で4万円以上しているので、メインは2万5千円と一番安かったです。
メインは2ウェイなのでやはり低音と高音が伸びます。普段はそれで良いのですが、ソースによっては中音域が気になる場合があります。
特に女性ボーカルでそれが気になりだすとカリカリしてくるので、フルレンジに切り替えて一件落着となります。
つまりフルレンジは中音域の繋がりが良いのですが、スピーカーが1本だけなので当たり前なのですが・・・
それと、空間表現力が高いです。理由はよくわからないのですが、おそらく間接音の位相の関係かと考えています。
具体的には左右への拡がり感と楽器の定位が良いので、オーケストラの生演奏やドームなどの広い会場でのライブなどで威力を発揮します。
今回のユニットは6cmと小口径なので、おそらくこれは実感できると思います。
ただし、パイオニアは私の感覚では一番ソースを選ぶユニットのように感じます。当たるとホームランですが、空振りの三振も多いということです。
ですから、メイン・スピーカーはソースをあまり選ばないものにしておいて、ここぞとばかりにパイオニアに切り替えるような聴き方が望ましいのかな?と、あくまで私見ですが・・・
まとめ
雑誌にまともな記事が載っていると思いますので、今回は私の私見だらけになってしまいました。オーディオというのは自己満足の塊のようなものと思っているので、自分の感覚を信じて突き進むことが大切かと思います。
人が何と言おうと「俺はこの音が好きだ!」と叫べるくらいがちょうど良いのではないでしょうか?
浮気は大いに結構で、そのうちに自分の好みの本質が見えてくるような気がします。ただし、もし配偶者がおられる場合は、いろいろと苦労する場面があるかもしれませんが・・・
フォステクス「手作りスピーカー」雑誌付録の考察?8cmフルレンジの楽しみ方 2017?! >>>
ではでは、きらやん