30年前のサラリーマン時代に突然うつ病を発症した時に、務めていた企業のメンタルヘルスケアの充実した体制に救われた経験がありました。2年前までは精神科に通院していましたが、札幌に移住後は通院を止めても健康が持続していますが?
はじめに
日本の若者の自殺率について3年前にあることがきっかけで調べたことがありました。
この頃から、日本の若者の自己肯定感について考えるようになりました。
最近になって、日本の若者の自己肯定感が他の国と比べて低いことがわかってきました。
札幌市で2年間生活して最近賃料を下げる目的で近場に引っ越すことにしたら、周囲の人の反応から「自己肯定感が低いのでは?」と感じるようになりました。広島市でも同様の引越しをした時には感じなかったことですが?はじめに札幌[…]
今の自分の自己肯定感が高いことを、リクナビNEXT「グッドポイント診断」で客観的に確認したところ、なるほどと思える結果を得られました。上記の記事で詳しくレポートしています。
うつ病を発症した30年前から今の自分に成長したキセキを振り返ってみました。
過労とストレスと人間関係のもつれ
30年前にうつ病を発症した当時の状況は、30代中盤で一般企業では主任か係長クラスの職制だったと思いますが、外資系企業だったので縦割り組織より組織横断型のプロジェクト型のリーダーとして働いていました。
2つのプロジェクトのリーダーを兼務していて、サラリーマン時代では最も激務だった時代、つまり、残業時間が月に100時間越えが日常的で、さらに、すでに部下を10人以上かかえていて、自己責任の実務以外にもチームのリーダーとしての責任の重圧があり、常にストレスを感じていました。
ある日、いつものように朝出勤する途中で、駅の改札を通ることができなくなり、職場に電話して体調が悪いので休むことを伝えました。
その後のことははっきりとは憶えていませんが、電車に乗って終着駅まで行き、また電車に乗り直して始発駅まで乗るというようなことを繰り返してボーッと時間を潰していました。
深夜3時に自宅マンションの近くの公衆電話ボックスから自宅の妻に電話して迎えに来てもらいました。翌日に妻に連れられて、総合病院の精神科を受診しました。結果は「抑うつ状態」で診断書を作成してもらい、上司に提出して状況を説明し、1ヶ月の自宅療養に入りました。
後から考えると、過労とストレスの蓄積が原因でしたが、発症したきっかけは人間関係のもつれだったように感じます。その頃、上司と部下のサブリーダーが技術的な見解の違いで口論することが多くなり、その板挟み状態で精神的に追い詰められていたのだと思います。
そういう精神的な状態に非常に弱い人間だったと言えます。他人から見ると理解できないような「つまらない原因や理由」なのかもしれませんが、そういう状況に弱い人が世の中には一定数居るということはなかなかわかってもらえないことではありました。
企業のメンタルヘルスケアの重要性
それから10年後には管理職になり、当時は30人ほどの部下の居るグループのリーダーとして充実した職業人生を歩んでいました。
その最大の要因は、企業のメンタルヘルスケアの充実した制度だったと思います。
月に2回、産業医として精神科医が職場に来てくれて、仕事中に呼び出されて受診でき、カウンセリングを定期的に受けつつ投薬まで職場内でできたので、日本社会の中では非常に恵まれた環境に居ました。
おそらく、技術畑の監督職や管理職の人には、私と同じように定期的にメンタルヘルスケアを必要とする人が他の職場より多かったのではないか?と感じます。
そう書くと誤解を招きそうですが、職場の雰囲気が悪いとかパワハラとかではなく、生真面目で責任感が強く人付き合いが苦手といった気質の人が技術職には多いような気がしています。
しかも、商品開発という職種は、日々正解のない問題・課題に立ち向かってリスクを負いながら決断し実行する能力を試されます。そこから逃げた人は出世できないどころかスタッフに回されかねません。上昇志向の強い人間にとっては当たり前ですが、かなりのストレスを受け続けます。
企業のメンタルヘルスケアの重要性がそこにあります。
日本のメンタルヘルスケアを考える
大企業では、こうしたメンタルヘルスケアの重要性を認識し、職種・職場に応じて適切な環境を用意したり体制や制度を整備することは進んでいると思います。
日本の若者の自己肯定感が低いことや、自殺率が高いことを考えると、国民全体にこうしたメンタルヘルスケアが受けられる制度を、国が推進して整備する必要性を感じます。
欧米の若者の自殺率が日本よりはるかに低く、かつ減少していることを考えると、欧米のメンタルヘルスケアの制度や社会的なしくみについて学ぶべきことが多いのではないか?と思います。
札幌ではメンタルヘルスは自分で管理
サラリーマン時代は神奈川県で暮らし、実家の広島市でフリーランス生活を送っていた時も継続して精神科に通っていましたが、2年前に札幌市に移住してからは通院は止めました。
しかし、通院を止めても特に自覚症状は無く、周囲の人間からも健康だと思われています。
もちろん、30年間蓄積した自己管理ノウハウがありますが、住んでいる環境も大きな影響を及ぼしているように感じます。自然環境や社会環境、人間関係や地域性など複雑な要因が含まれるので一言では説明できませんが、一時的にでも環境を変えてみるというのは良いのではないでしょうか?
中元日芽香のブログ
人気アイドルから心理カウンセラーになった中元日芽香のブログは以下です。
このブログは若い女性の文章タッチで書かれていますが、かなり難解なテーマを積極的に取り上げています。それだけ心理カウンセリングという仕事や世の中の問題・課題に対して真剣に向き合っているからだと感じます。
「カウンセリングサロン モニカと私」でSkypeを使ったオンラインカウンセリングを運営しているので、入り口としては専門医よりハードルが低いかもしれません。
「今の私にできるのは「入口」になること」by 中元日芽香
まとめ
芸能人の自殺についての話題が多く取り上げられていますが、それを個の問題として捉えるのではなく、社会的な問題として取り上げて、議論し、制度に落とし込んでいく努力があらゆる場面で必要だと思います。
「自殺は、社会的な殺人」
ではでは、きらやん