「トヨタかんばん方式」を知ってから、特に「ジャストインタイム」の考え方を自分の生き方にも応用してきましたが、それが特に小さな会社から大企業に転職した際に役に立ちました。事例を紹介しながら、身軽に生きることについて考察します。
電車で常務に偶然会った時の会話
29歳で結婚した後で、半年後に小さな会社から大企業に転職しました。その時に中途採用された人間をド田舎の研修所に集めて、1週間の社内研修が行われました。
ほとんどが20代でしたが、一人だけオジサンが居ました。大企業の課長だった人が、どうもヘッドハンティングされて転職した感じでした。
それから暫くは会って居ませんでしたが、気が付くとその人は常務になりました。自分は未だ管理職にもなっていなかったので、通常なら雲の上の存在ですが、1週間だけ同じ釜の飯を喰った仲間でもあります。
ある日、偶然同じ電車に乗り合わせたので、隣どおしで座って話ができました。
「この会社は人遣いが荒い」
「それだけ社長から信頼されているからですよ」
「お前は気楽でいいよな」
「だったら楽な仕事に就けばいいじゃないですか」
「もう遅い。自分からは辞められなくなった」
「重荷を背負っちゃいましたか」
「まあな」
「だったら私ら社員のために尽くしてください」
「・・・」遠くを見ている様な感じでした。
この時に「一度ストックを持ってしまうと身動きが取れなくなってしまう」という危機感を覚えました。
アシスタントを自由に選ぶには?
通常は、管理職になると自動的に人事からアシスタントの派遣社員が配属されます。管理職本人がアシスタントを選ぶことは出来ませんでした。
ところが、私の場合は自由にアシスタントの女性を選んで隣の席に座らせていました。これは明らかにルール違反なので、本来なら人事部から叱られるのですが、なぜか黙認されていました。
私のやり方は以下のようなものでした。
・グループ内のアルバイトの女性から一人ピックアップして隣に座らせてアシスタントをさせる。
・1〜2ヶ月様子を観て、これは使えると判断したら、アルバイトから派遣社員扱いに切り替える。
そうすると、給料が約2倍にアップするので、少々仕事がキツくなっても前向きに頑張ってくれます。
同時に、他のアルバイトもやる気を起こして、自ら競争するようになります。そして、自主的に作業改善をしながら、私に前向きな提案もしてくるようになりました。
しかし、他の管理職はそれを知っていながらも、見て見ぬ振りをして、やろうとはしませんでした。
つまり、大企業の管理職ともなると、ストックをいっぱい持っていて、人事部に睨まれそうなルール違反は出来ないわけです。
私はというと、ストックが無いので、人事部長に叱られたら反論して、この方法の良さをアピールしてやろうくらいに考えていました。
結果として、たいした問題にはなりませんでした。
人事部の若い人たちは、毎日社員の活性化に取り組んでいたので、私の行動は知りながらも、興味深く遠くから観察をしていました。時々探りを入れてくる人も居ましたが・・・
まとめ
Perfumeの音楽プロデューサーである中田ヤスタカがこんなことを言っていました。
[ENG SUB] My 10 Golden Rules – Nakata Yasutaka 1/2 >>> YouTubeサイトへ
中田ヤスタカの「ストック」の意味は、どちらかというと形ある物という感じがしますが、精神的な意味も内包しているようにも思えます。
私の「ストック」は心の在り方が中心なので、形の無い物ですが、結果的には形ある物、例えばお金とか資産とか趣味的な機材とか、そういう物に現れるような気もしています。
だとすると「ストックを持たない生き方」をするためには、何らかのストックが必要になる気もして、精神的な面と、物質的というか価値ある物というか、自分にちょうど良い「形ある物」を「所有する」ことも含まれているように思います。
それで身軽に生きることが出来れば、人生を楽しむことが出来るのかもしれません。
ではでは、きらやん