50歳からバイオリンを習い始め、1年後からはピアノも習い始めて、先生の都合や私が転勤や退職後に地元に帰ったりで今数えてみるとバイオリンとピアノの先生はそれぞれ6人にもなりました。その間に気が付いた先生の教え方と「コーチング論」との関係とは?
「コーチング論」とは?
40歳を過ぎて管理職になった時に最初に上司から勧められたセミナーが「コーチング論」でした。
ワークショップ形式で、5つほどのグループに分かれて円卓に座り、テーマに沿ってグループごとに討論して結果を全体で発表しあうというディスカッション主体のものでしたが、部下を指導する上で大きな指針を得ました。
「コーチング」という概念は「ティーチング」と異なり、相手の自主性や個性を尊重して、その才能や能力を最大限に引き出し伸ばすよう導く手法で、学校の授業とは異なり、マンツーマンが主体となります。
「コーチング」の基本は以下のようなものでした。
・「気付かせる」
・「考えさせる」
・「決めさせる」
なので、単に技術やノウハウを教えるよりかなり難しく面倒なのですが、特に新入社員の教育や育成には威力を発揮しました。
音楽教室の先生のタイプ
先生のタイプは、バイオリンもピアノも共通して大きく2つに分類できました。
それは「子供主体」か「大人主体」かです。
「子供主体」の先生はどちらかというと「ティーチング」タイプで教育がメインでした。
大手の楽器メーカーが作成したレッスンテキストに従って効率良く学ぶので上達が早く先生によるバラツキが少ないというメリットがありました。
「大人主体」の先生は「コーチング」タイプで、生徒の年齢や音楽知識や経験にもとづいて個別のレッスンを考えて行うので、先生にとってはかなりスキルの差が大きく、負担も大きいものとなります。
もちろん、両者をミックスして使うわけですが、最初は経験豊かな先生が「コーチング」タイプで、若い先生は「ティーチング」タイプだと思っていたのですが、何人か先生が変わってみると、これがほぼ逆だと気が付きました。
最初に習った教室と先生
バイオリンはさいたま市の大宮駅前にある島村楽器に併設されたミュージックサロンで生徒は大人のみでした。
電子楽器が好きだった関係でヤマハのサイレントバイオリンが発売された時に電子楽器の延長線上でいじろうと思って買ったのですがまったく弾けず、買った楽器店で習うことにしました。
先生は、当時25歳の女性で経験は3年足らずでしたが、生徒数は50人以上と人気の先生でした。
私の要望を聞いてくれて、サイレントバイオリンで有名なポップス曲が弾けるようになるのを目標としました。
テキストも島村楽器の楽譜売り場でいっしょに選んで決めました。もちろん大手の楽器メーカーのテキストでも有名な著者のテキストでもありませんでした。
この教室は先生の都合で土日が習えなくなり、サラリーマンの私としては実質的に通えなくなりましたが、すぐに転勤が決まって神奈川に引っ越しました。
神奈川ではピアノが習いたくなったので、個人のピアノ教室が近所に見つかって、土日にレッスンができたのでそこに通い始めました。
最初に弾いた曲がバッハの「プレリュードハ長調」でしたが、この楽譜も私がネットで購入してダウンロードして印刷したのを使いました。
先生が最初に模範演奏をしてくれましたが、あまりの上手さに思わず拍手をしたら「ありがとう」と言ってくれました。
この先生は「子供主体」タイプだったので、その後は子供と同じように大手の楽器メーカーが出しているテキストに従ってレッスンを行いました。
さすがによく出来ていて効率良く上達しましたが、私が弾きたい曲はほとんど弾けませんでした。
この先生は、30代前半で、結婚していて子供が2人いました。
一戸建ての自宅の一室にグランドピアノが置いてあり、調律も年に3回もやっていて、調律のたびに「どう?」と私に聴いて、「う~ん、少し硬いかな?」とか言うと、「そうなのよね」とか言って若い先生より会話は面白かったような気がします。
まとめ
音楽教室自体は、個人教室から大手の楽器メーカー直営のところまで多種多様ですが、楽器がほとんど未経験の大人が習う場合は独立系の音楽教室が良いように感じます。
レッスン代が大手より安く、設備や教室の運営では個人教室より行き届いているというのが理由です。
特に発表会の満足度が高く、年に1回地方でもナントカ文化会館大ホールみたいな大きな会場を借りて、場合によってはフルコンサートグランドピアノが弾けました。
バイオリンでもちょっとしたリサイタル気分が味わえました。
音楽大学に進学するような生徒が多かったのも独立系のように感じます。またそういう高校生などの若い人と気軽に会話ができたのも良かったですね。
先生に関してはどんな教室でも体験レッスンで自分との相性を見極めるしかないように思います。
教え方は経験豊かな先生の方が上手いと思いがちですが、私の感覚では、大人の場合は若い異性の先生の方が習いやすいように思いました。
若い先生の方が「コーチング」的な指導が上手いような気がします。「教える」のではなく「導く」というのは経験ではなさそうです。
冒頭のアイキャッチ写真に使ったロックバイオリニスト「AYASA」の最近の映像です。
【Ayasa】Rosenkreutz ~Ayasa Theater episode 2
古くて新しいバイオリンの音色のような気がします。
ではでは、きらやん