日本の若者の現在の自殺率は世界的にはダントツで1位ですが、私の感覚では私が子供の頃の方が友達や好きだった女の子のような身近な存在の自殺者が多かったので、日本の若者の自殺率の推移について調べた結果を紹介します。
ユーミンの「ひこうき雲」がヒットした時代
若い人も含めて多くのアーティストにカバーされているスタンダードナンバーですが・・・
ひこうき雲 – 荒井由実(松任谷由実)
この曲がタイトル曲のユーミンのデビューアルバムがリリースされたのが1973年11月20日なので、私もユーミンも19歳でした。アルバムのオリコンランキングは週間で9位なので、今のユーミンからするとたいしたことはなかったのですが、デビューシングルが300枚しか売れなかった駆け出し者にとっては快挙でした。
さらに、友人の自殺をテーマにした曲がこれほど売れるというのは、今から考えると不思議ですが、当時は友人の自殺はけっこうよくあることだったので、当時としては画期的ではありましたが、今より受け入れられる社会状況だったのかもしれません。
世界的な若者の自殺率の推移
日本は世界的に見ると若者の自殺率がトップでかつ、2位の韓国と異なり上昇を続けています。
イギリスの約3倍で、アメリカと比較しても1.5倍というのは理解に苦しむ数字だと言えます。隣の韓国は日本と傾向は似ていますが減少傾向に転じている一方で、日本はさらに上昇を続けているという特徴があります。
先進国が全体的にどこの国も減少傾向にあるのに、なぜ日本だけ若者の自殺率が急増しているのでしょうか?
今の私には「ひこうき雲」がユーミンからの時空を超えた警告文のように響いてきます。
私が子供の頃はどうだったのか?
1960年というと私が6歳で、60年代はビートルズが活躍した時代でした。若者の自殺率のピークはこの60年代のようです。ここに注目してみると以後は減少傾向にあります。当時と比べると現在の若者の自殺率は1/3程度に減少しています。さらに若者の人口は、日本全体の人口が増えたにもかかわらず少子化で減少しているので、若者の自殺者の絶対数は60年代はたしかに今よりかなり多かったと言えそうです。
「若者」の定義(年齢層)が調べた資料ごとに微妙に異なっているようなので絶対数に関しての公表は誤解を招くので控えますが、大雑把に言うと60年代で3,500万人程度だったのが現在は2,500万人程度に減っているという感じです。
自殺の方法
いきなりすごくローカルな話になりますが、私の小学校の友人が自殺した方法は、一人はカッターナイフで喉笛を切りました。もう一人は同じくカッターナイフで頸動脈を切りました。かなり似た方法で自殺したと言えます。
一方で、中学生の時に同じクラスに居た好きだった女の子は、自宅の庭で頭から灯油をかぶって火をつけて焼身自殺しました。上記と方法は全然違いますが、私は似ているところがあると思いました。それは、リアルに自分が死んでいくところを体験できるからです。つまり、かなり苦しんで死ぬ方法をわざわざ選んでいるように思えました。
最近のニュースで、若者が学校でイジメを受けて自殺するケースだと、マンションやビルの高いところから落下して自殺するケースが目立ちます。もちろん、落下している最中は死を予感しているのでしょうが、死の瞬間を体験できません。一瞬で死ぬからです。そういう意味では楽に死にたかったのではないかと想像します。
まとめ
若いなりに技術者の卵だった私は友人や好きだった女の子の自殺を繰り返し自分なりに分析してみました。そんなことは意味が無いとは分かっていても、彼らや彼女は意味のある死を選んだのだと思いたかったからです。事故ではなく自ら選ぶ死は、ひょっとすると残された人間たちに強烈なメッセージを残したのかもしれません。
そして、自殺率は当時より減っているとは言え、世界的には減少しているのに日本だけ若者の自殺率が急激に増えているのは何かのメッセージのような気がしてなりません。むしろ60年代の自殺より、今の若者の自殺の方がより深刻なような気がします。なぜなら60年代の自殺は「ひこうき雲」のように空に昇るイメージですが、今の若者の自殺のイメージは急降下爆撃機の特攻隊です。
最近は若者の自殺率が減少傾向に転じたお隣の韓国に、その秘密を聴いてみたいものですね。
ではでは、きらやん