iPad Proの新製品に搭載されているLiquid Retina XDRディスプレイなどでHDRが注目を集めています。ローコストで購入が可能なHDRモバイルモニターを輝度(nit)と(静的)コントラスト比で検討してみたので紹介します。
はじめに
2020年1月に4K HDR対応のローコストモバイルモニターについて検討したことがありました。
有機ELディスプレイ搭載のChromebookや4KHDRモニターは暫くは10万円以上の高値で推移すると判断し、IPS液晶の4KHDR対応モニターで2万円台のモバイルタイプをChromecast Ultraに繋いで使えるのかについて検討し[…]
その後狭いワンルームに引っ越したことにともなって、メインPCとして使っているChromebookの外部ディスプレイとしてより省スペースのiiyama(マウスコンピューター)23.8インチFHDモニターを購入しました。
CloudReady化した2in1Windows PC用の外部モニターとして縦長表示もできるiiyamaの23.8インチ ピボットFHDモニターを2万円でアマゾンに注文したので紹介します。はじめに今までは32インチ[…]
4K HDRは予算オーバーだったのでこの段階では諦めましたが、iPad Proの新製品にLiquid Retina XDRディスプレイが搭載されるなど、4KはともかくHDR関連の話題に興味が出てきました。
2018年7月に18万人を動員した乃木坂46 6th バスラはNHK 8Kスーパーライブで放送されたので札幌局に出向いて8Kシアターで観ましたが、最近になってYouTubeで冒頭30分を視聴できるようになったので紹介します。YouTube[…]
そこで、手軽に購入して試せそうなHDRモバイルモニターについて、主に輝度とコントラスト比について検討してみたので紹介します。
ちなみに、4KのYouTube動画をスムーズに観るためには、ネット(WiFi)の実効速度が150Mbps程度必要ですが、現在使っているWiMAX2+は物理的な速度は下り最大1.2Gbpsもあっても、4KのYouTube動画で調べた場合の実効速度は30Mbps程度なので実質的に4Kコンテンツは観れないことがわかっています。
引っ越しにともないJ:COMから「どんなときもWiFi」に乗り換えましたが、通信障害が続いてパソコンの作業に支障をきたしたので「Broad WiMAX」に乗り換えました。1週間ほど使ってみて快適に使えているので紹介します。[…]
4Kコンテンツをスムーズに観るためには、光ファイバーを部屋まで引き込んだ光回線(マンションまでは光ファイバーでも各部屋への分配はメタル線のベストエフォート方式が多いですが、それだと150Mbpsはほとんど出ない)か、J:COM NET320Mなどのケーブルテレビ、あるいは5G回線が実質的に必要となると思います。
また、デバイス(PC/スマホ/タブレットなど)のスペックもそれなりに高い必要があります。私の場合はChromebookでは4Kには追いつけず、Mac miniだと大丈夫でした。ローコストで観る場合はChromecast with Android TVやFire TV Stick 4Kなどが便利です。
必要十分な輝度とは?
cd/m2あるいはnitという単位で表されている輝度ですが、ディスプレイの最大の明るさを示します。
例えば、私が現在メインPCのChromebookの外部ディスプレイとして使っている23.8インチ液晶モニターは以下です。現在では販売されていませんが・・・
Amazon.co.jp: マウスコンピューター iiyama モニター ディスプレイ XB2481HSU-B4 (23…
この液晶の方式はAMVAというVA液晶の改良版で、VA液晶はTNやIPSよりコントラスト比が高いという特徴があります。輝度は250cd/m2と標準的です。
大画面テレビでは離れて観るので輝度が高い傾向にありますが、PC用のモニターは近距離で作業するのでテレビほど輝度が高いと目が疲れます。ですから250cd/m2くらいで十分です。
例えば、前回の記事で紹介した1万円台の15インチクラスHDRモバイルモニターは以下です。
Amazon.co.jp: Pixio PX160 モバイルモニター 15.6インチ FHD IPS 60Hz 薄型 軽…
この製品の輝度は250cd/m2なので、必要十分だと思います。
ちなみに、最近中古品を購入したiPad Air2は415cd/m2ですが、PC用の250cd/m2のモニターはむしろiPad Air2より明るく感じるので、単に数字だけで判断するのはどうか?と思います。
ちなみに、Liquid Retina XDRディスプレイの新型iPad Proの場合はピークで1,600ニト(nit)つまりcd/m2です。大画面テレビ並みの明るさだと思います。おそらくかなり眩しいのでは?
静的コントラスト比は?
動的コントラスト比は非常に大きな値になる(バックライトの明るさを変化させる)ので、今回は静的コントラスト比(バックライトの明るさを一定に保つ)の場合で検討します。
ちなみに、iPad Air2は1,064:1だと言われています。上記のPX160の場合は500:1です。
PC用のAMVAモニターの静的コントラスト比は明記されていないので不明ですが、一般的なVA方式の場合は3,000:1程度のようです。
Liquid Retina XDRディスプレイの新型iPad Proの場合は1,000,000:1と言われていますが、これはミニLEDバックライトの明るさを変化させた場合なので動的コントラスト比です。静的コントラスト比は不明です。
まとめ
手軽に購入して試せるHDRモバイルモニターを輝度と静的コントラスト比について検討してみました。
単なる数字と、感覚的に必要十分な明るさやコントラスト比は必ずしも一致しないように思えます。
1万円台で購入可能はHDRモバイルモニターは、輝度が250cd/m2と手持ちのPCモニターと同程度であり、静的コントラスト比は500:1と手持ちのiPad Air2の約半分です。
iPad Air2の輝度は415cd/m2と数字上はかなり明るいですが、手持ちのPCモニターの方が明るく感じているので、おそらくはPCモニターの方がAMVA方式で静的コントラスト比がかなり高いことの方が影響しているのではないか?と考えています。
そこで、輝度より静的コントラスト比が高いHDRモバイルモニターを探してみようか?と思います。
ちなみに、現在の第一候補は以下の輝度が300cd/m2で静的コントラスト比が1,000:1の製品ですが・・・
Amazon.co.jp: モバイルモニター cocopar 15.6インチ 自立型 非光沢ノングレア IPSパネル 薄…
ではでは、きらやん