前回の記事でPaperspaceの仮想Windows上でDAZ StudioのIrayで物理レンダリングを行おうとしても不具合が起こっていたので、その後の試行錯誤の結果としての成功事例を紹介します。まだいくつか課題はありますが?
はじめに
以下の記事でPaperspaceの仮想Windows上でDAZ Studioによる3Dモデルの作成とレンダリングについて紹介しました。
しかし、Irayで物理レンダリングを行おうとすると、接続が切れて「Loading」状態になったり、「Inaccesible」になって仮想Windows自体が使用不能になる不具合が発生し、実質的にIrayは使えませんでした。
その後の試行錯誤により、DAZ Studioのレンダリングの設定変更により、なんとかIrayでもレンダリングができたので、成功事例として紹介します。
まだ確実な方法とは言えない状況で、再現性が無いかもしれませんが、参考にしていただければと思います。
Paperspaceの仮想マシンを新規に追加
今まで使っていたPaperspaceの「Standard+100GB」の仮想Windows上でDAZ Studioが不安定になったので、新しく仮想マシン「Advanced+100GB」を追加で作成しました。
課金額は月額7ドル(100GB)+0.18ドル/時間です。
スペックアップした理由は、Photoshop 3Dで3D軸コントロールが表示されない課題がスペックアップで解決できるかを確かめたかったからです。
結果は、Photoshop2020を起動して3D機能を試しましたが、やはり3D軸コントロールは表示されませんでした。
PhotoshopなどのAdobe CCアプリはGCPやAWSの仮想Windowsでは使えないので、Paperspace上で使えるPhotoshop 3D機能でポーズや表情などを付けた後で、Vectaryで読み込んで「Vectary Photon」で物理レンダリングを行う方向で進めたいと思います。
今回はテスト用なので日本語化は行わず英語Windowsのままで以下の作業を行いました。
レンダリング設定の変更
Advancedタブの設定変更
Hardwareタブ
Photoreal DevicesだとCPUにチェックを入れると接続が切れて「Loading」状態になり、チェックを外してGPUのみにするとレンダリングイメージが表示されません。
そこで以下のように「Interactive Devices」を使う設定に変更しました。
Canvasesタブ
.exr(OpenEXR形式画像ファイル)の出力もできるようにするために、Canvasesを設定します。
Editorタブの設定変更
Render Mode
「Editor」タブに戻って「Render Mode」を「Photoreal」から「Interactive」に変更します。
画質がかなり悪くなるような気がしていましたが、私の個人的な感覚では違いがわかりませんでした。
Progressive Rend…
レンダリングを10分程度で終わらせるつもりで「Max Time」を600secに短縮しました。
その他
「General」で出力ファイル名と形式と出力先フォルダーを設定しておきました。
「Environment」の「Draw Dome」と「Draw Ground」は共に「OFF」にして、背景が透明な画像にしました。後でPhotoshopなどで背景と合成する場合に便利です。
レンダリング
レンダリング開始
右上の青い「Render」ボタンをクリックします。
数秒でレンダリングイメージが表示されます。上記は44秒後の画像ですが、すでにテスト用には十分な画質が得られています。
レンダリングの状況を確認するには、上記の「Render」ボタンが以下のように変わっているのでクリックするとパネルが表示されます。左のパネルの上に移動して見えるようにします。
ここで注目するポイントは、画像の右下の「Save」ボタンがアクティブになっていることです。
最初はアクティブになりましたが、一度DAZ Studioを終了して再度開いてレンダリングするとアクティブになりませんでした。原因は不明なので今後の課題です。
5分後
私には十分な画質ですが、10分後まで待ちました。
10分後
設定した「Max Time」の10分(600秒)を過ぎてもレンダリングが終了しなかったので「Save」ボタンをクリック。
指定した出力先フォルダーとは別のテンポラリーフォルダーに「r.png」というファイル名で出力されたようですが「Failed to load image:」と理解に苦しむメッセージが表示されました。
ファイルエクスプローラーで開いてみました。
まとめ
操作ミスで「r.png」画像が消えて無くなってしまいました。
EXRファイルはありますが、「Standard+100GB」上のPhotoshop2020で開いてもおかしな画像になったので、以下のプラグインをインストールして試行錯誤する必要がありそうです。
どうも! Maya太郎です! 今回紹介するのは 当ブログで以前紹介した ArnoldなどでレンダリングしたEX……
DAZ StudioとPhotoshop 3DをPaperspaceの仮想Windowsで使いこなすにはまだ多くの課題がありますが、今後も経過を適時レポートする予定です。
GCPやAWSの仮想WindowsではPhotoshopなどのAdobe CCアプリがインストールできないのに、Paperspaceの仮想WindowsやMacinCloudの仮想macOSではインストールして使えるのが不思議です。
おそらく、GCPやAWSの仮想WindowsがWindows Serverなのに対し、PaperspaceやMacinCloudはクライアント版(サーバー上で動く)の違いではないか?と推測しています。
1年前まではGCPやAWSでもAdobe CCアプリが使えたので、Adobe社の仮想環境で使うユーザーに対する何らかの方針転換があったのかもしれません。
物理レンダリングについては、以下の記事で取り上げた「Vectary」のプラグインで「LuxCore」エンジンらしきレンダラーが使えるようになったみたいです。
VectaryはChrome OSをサポートしていないのでGalliumOSやCrouton XubuntuなどのLinuxや仮想Windows上のChromeブラウザーなどで使います。
「Vectary Photon」はWindows/macOS版のアプリとして提供されているので、Paperspaceの仮想Windows上で試す予定です。
Vectary with photorealistic rendering | 3D design tool
LuxCoreはCPUでのレンダリングが高速なので、GPU無しや非力なGPUでも物理レンダリングがけっこう楽しめます。LuxCoreのテストレンダリングは以下の記事を参考にしてください。
ではでは、きらやん