1990年に登場したヤマハ「QY10」。パームトップスタジオというコンセプトで何時でもどこでも作曲が楽しめるガジェットとして爆発的なヒット商品に。クラウドファンディングで今風に進化した「KDJ-ONE」を無料Androidアプリで試すと?
YouTubeに観るKDJ-ONE
氏家さんによるデモ演奏とプロモーション動画です。
CyberStep KDJ-ONE Portable Music Studio Demo&Review [English Captions] >>> YouTubeサイトへ
ソッチ系の外人さん版は?
KDJ-ONE with Sid Wilson from Slipknot >>> YouTubeサイトへ
ヤマハ「QY」シリーズとはだいぶ趣が異なりますが、根底を流れるコンセプトには共通性があると思います。
時代を超えて現代に蘇った奇跡のプロダクトと言っても良いかもしれません。
無料Androidアプリを試す
★Genymotion(Google GCP/Amazon AWS)の仮想Androidにもインストールは出来きますが、なぜか現時点(2018年8月)でGCPでもAWSでも使えていません。使える事が確認出来たらレポートする予定です。
Playストアで「kdj-one」で検索します。
インストールして開きます。
ファイルやマイクへのアクセス許可のメッセージが表示された場合は「許可」をタップ。
最近では珍しい斬新?なデザイン。左上のプレイボタンをタップするとすぐに演奏が聴けます。
ハードウェア版との最も大きな違いは、最下部のキーボードがタッチセンスでは無いことです。
アプリなので仕方がありませんが、外部MIDIキーボードを接続すれば同等の事が出来ます。
ただし、タッチセンスのベロシティーカーブを選べないので、イマイチ強弱が付かないのが不満ではありますが・・・MIDIキーボード側の設定で改善出来るのかもしれませんが?
Spacestation V.3とBose Companion3のサブウーファーの組み合わせで音を出すと、Androidアプリとしてはけっこうクオリティーの高い音質だというのが分かります。
私が聴いた感じでは、電子楽器系より生楽器系の生々しいサウンドの方が似合っているように思えます。ジャズ系とかですかね?
5インチオーバーのスマートフォンだと少々狭苦しくて使いづらいですが、7インチのFire7タブレットや8インチオーバーのAndroidタブレットなら使いやすいです。
多機能なので使い方は以下のYouTubeチャンネルの動画を観てください。
https://www.youtube.com/user/KDJONECyberStep/featured
ハードウェアのKDJ-ONEとは?
「世界初のポータブル・オーディオ・ワークステーション」というキャッチフレーズの「手のひらサイズのDAW」とも言うべきコンパクトな作曲ガジェットです。DAWではなくPAW?
Wikipediaから抜粋を引用します。
https://ja.wikipedia.org/wiki/KDJ-ONE
作曲に必要なすべての機能を取り揃えており、作曲をいつでも可能とした端末
KDJ-ONEは「NAMM Show 2011」にて発表された。ゲームボーイ初代を思わせる筐体にMeeGo OSを搭載。
ヤマハのQYシリーズのように端末単体で作曲できるモバイル機器の新機種は久々だったということもあり、一部の音楽関係者、ガジェットマニアから注目される。
また、販売前にも関わらず、IntelのMeeGo OS搭載機種例として紹介されるなどもした。
しかし、2012年春より予約注文を開始したものの、発売直前になってハードウェアのパフォーマンス不足を理由に発売中止を発表。
予約者全員には返金する対応を行った。
しかしここからが「日本の物作り文化」の継承者としての本領が発揮されます。
このWikipediaの最後の記述が「2015年春の「M3春」での出品を最後に、公にハードウェアの公開はされておらず、メディアに取り上げられることも無くなった。」です。
何度も挫折を経験してもそれを糧にして、サイバーエージェントグループの「Makuake」により1千6百万円以上の資金を調達。
クラウドファンディングと開発/生産のJDSoundの力を借りて、とうとう不死鳥のように蘇り2017年にプロジェクトとして販売開始されました。
開発元のサイバーステップとは?
開発元のサイバーステップ株式会社は東京に本社を置くオンラインゲーム開発企業です。以下にその一部を引用します。
サイバーステップ株式会社は2000年に国立高専を卒業したメンバーにより立ち上げられ、
インターネットや電子機器を活用した新しいエンターテインメントを世の中に送り出すことをミッションとして、
PC・モバイルのオンラインゲームやオンラインのクレーンゲームを中心に開発と運営を行っています。
創業者のひとりでありプログラマーである大和田豊はその中でも多種多様なエンターテインメントに興味を持っており、
「YAMAHA QY10」などで音楽制作をしたりDJをしたりしていますが、
自身がその経験をもとに欲しいと思っていたもの―「手の平におさまるサイズの、とっつきやすい音楽創作ツール」―を形にしたのが「KDJ-ONE」です。
社内のハードウェアとソフトウェアのノウハウを駆使し、さらに経験が重要な量産行程ではMakuakeで資金調達をし、
開発・出荷をしている「GODJ Plus」の実行者であるJDSound社に量産に向けた開発を依頼し、イメージしていた最終製品の実現に取り組んでいます。
オジサンのロマン ヤマハ「QY」シリーズ
私もQY10から始まって、中古を含めてQYシリーズを一時は5〜6機種ほど持っていたような気がします。
まあコレクターみたいなものですが、どれかで作曲をして遊んでいました。
QX3/MC-500やパソコンのシーケンサーソフト(Performer/Vision)のヤヤコシサから比べると「気軽に音楽を作る楽しさ」を味わっていた時代のような気がします。
私と同世代の人の中には、こういった音楽のロマンをQYシリーズから感じた人もけっこういるのではないでしょうか?
購入方法?
関連するサイトを一通り回ってみましたが、2018年8月時点では私にはKDJ-ONEの購入方法が分かりませんでした。
サイバーステップのKDJ-ONEサイトの「お問い合わせ」メニューをクリックしても「ホーム」ページに飛ぶので問い合わせが出来ません。
2018年7月のメルカリにKDJ-ONEの中古が出品されていたページが存在しますが、すでに売り切れです。4万円ですが・・・
MakuakeのKDJ-ONEページで新たにプロジェクトが開始されるのを待つか、中古品が出るのを気長に待ちましょう。
まとめ
アプリとしては若干中途半端な印象がありますが、無料のAndroidアプリでここまで作曲機能が揃っているのは、他には私は思い当たりません。
ハードウェアの購入を検討するのに、無料アプリの「KDJ-ONE」を試してみると良いと思います。
ではでは、きらやん