レノボがGoogleのリアルタイム空間認識技術「Tango」に世界で初めて対応したスマートフォン「Phab 2 Pro」を発表しました。飽和状態になったスマートフォン市場の中で、リアルタイムで空間を認識しAR・VRコンテンツを楽しめるPhab 2 Proは、他社スマートフォンと明確に差別化されたデバイスになっています。
GIGAZINEの記事から引用
レノボが、サンフランシスコで開催した自社イベント「Lenovo Tech World 2016」の中で、Googleのリアルタイム空間認識技術「Tango」に世界で初めて対応したスマートフォン「Phab 2 Pro」を発表しました。同じような機能を搭載したスマートフォンばかりが登場し飽和状態になったスマートフォン市場の中で、リアルタイムで空間を認識しAR・VRコンテンツを楽しめるPhab 2 Proは、他社スマートフォンと明確に差別化されたデバイスになっています。
Lenovo Unveils Smartphones That Reshape What’s Possible & Vision for Connected Devices at Tech World 2016 | Lenovo Newsroom
http://news.lenovo.com/news-releases/lenovo-unveils-smartphones-that-reshape-whats-possible-vision-for-connected-devices-at-tech-world-2016.htmThe first phone with Google Tango is a 6.4-inch monster from Lenovo | The Verge
http://www.theverge.com/2016/6/9/11882514/lenovo-phab-2-plus-pro-tango-google-specs-announce-smartphoneLenovo Tech World 2016の様子は以下のムービーから確認可能。「Phab 2 Pro」はムービーの1時間36分20秒ごろに登場します。
Lenovo Tech World 2016 – Live from San Francisco (June 9th) – YouTube
IT関連メディアのThe Vergeによるハンズオンムービーがコレ。
Lenovo’s Phab 2 Pro: the first phone with Google Tango – YouTube
Phab 2 Proは6.4インチのIPS液晶を搭載したファブレット端末。
SoCはTangoのAR/VRアプリ向けに最適化されたSnapdragon 652を採用し、メモリが4GBでストレージが64GBとなっています。
Phab 2 Proが対応しているTangoとは、Googleが開発しているAR・VR向けのプラットフォームです。簡単に言えば、Phab 2 Proは端末が部屋のどこにあるのか、周囲には何があるのかを感知することができ、ARおよびVRに対応したゲームやアプリを楽しめ新しいスマートフォンの使い方が可能になるということ。これを可能にしているのが、本体背面に搭載されているデプスカメラとモーショントラッキングカメラです。
デプスカメラは空間の奥行きを検知し、モーショントラッキングカメラは被写体の動きを検知可能。
例えば、これはARのドミノゲームをプレイしているところ。カメラで検知した3D空間にドミノを置いて遊ぶことができます。
FPSゲームを遊んでいるプレイヤーは、動きまわり体全体を使ってプレイ。実際の空間には何もないのですが、スマートフォンの画面の中は戦場です。
また、教育向けのARアプリも登場予定。これはアメリカ自然史博物館の協力を得て作られたアプリで、空間に恐竜のモデルを配置して自由に見学できるというもの。スマートフォンの画面をタッチ操作するだけで、恐竜を動かして体や骨格の仕組みなどをじっくり見られます。
体の各部分にあるボタンをタップすると、詳細の説明を表示してくれます。
こういったTango対応アプリがPhab 2 Proに25個プリインストールされる予定で、2016年内に100個のアプリがリリースされる予定とのこと。Phab 2 Proは2016年9月に499ドル(5万3500円)で発売予定です。
以下の2本のムービーはレノボによる公式ムービーです。
Lenovo Phab 2 Pro – World’s First Smartphone with Tango – YouTube
Lenovo Phab 2 Pro Product video – World’s First Smartphone with Tango – YouTube
6.4インチのIPS液晶搭載のPhab 2 Proは、シャンパンゴールドとガンメタルグレイの2色展開。
上述のデプスカメラとモーショントラッキングカメラ以外に、800万画素のフロントカメラと1600万画素のリアカメラが搭載されています。
デプスカメラとモーショントラッキングカメラの2つで、ユーザーがいる空間をリアルタイムで認識可能。
音響にもこだわっていて、5.1チャンネルのサウンドを楽しめる「Dolby Audio Capture 5.1」に対応しています。
背面にはカメラの下に指紋認証センサーを搭載。
Tangoに対応していることで、さまざまなAR・VR向けコンテンツを体験可能。例えば、何もない空間にスマートフォンを掲げると、画面の右からモンスターが登場し……
そのままバトルへ発展。没入感あるシューティングゲームを堪能できます。
カメラに写ったソファの一番左をタップして指を右に移動させれば……
ソファの長さを測ることが可能。従来のスマートフォンでも同じような機能をもつアプリがありますが、奥行きまでもをリアルタイムで認識するTangoの方が正確性が高いそうです。
子猫とソファで遊ぶ、というような使い方もできます。
発表後にはPhab 2 Proを使ったFPSゲームを体験できる展示スペースで試遊が行われました。
Lenovo Tech World Post Show – YouTube
AR対応のFPSゲームの試遊会場で、スタッフがインタビューを受けているのですが、注目したいのは画面奥を横切って移動する男性。この男性は、まさにFPSゲームをプレイ中で、スマートフォンを銃口の上に装着したマシンガンのモデルを持ってウロウロしています。つまり、この男性はスマートフォンの画面に映った映像を見ながらゲームをプレイしているというわけ。Tangoのリアルタイム空間認識技術を利用すれば、現実世界をゲームのフィールドにしてプレイすることができます。
スタッフによると、Tangoの技術を利用したARゲームは、スマートフォン自体がコントローラーになるため、コントローラーが必要なVRヘッドセットよりもプレイしやすい環境になっているとのこと。また、従来のゲームにはない没入感も注目したいポイントです。Tangoはゲーム以外にも、例えば、空間にARの家具を配置したり、医療業務のトレーニングに使ったりなど、スマートフォンの新しい使い方を提供してくれるので、今までには考えられなかったような便利なアプリが登場する可能性もあります。
以下の3本のムービーはGoogleによるTangoの公式ムービー。音声なしのプロモーションムービーなので、英語がわからなくても問題なくTango対応スマートフォンで何ができるのかが分かる内容になっています。
Tango: See more with a new kind of phone – YouTube
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まとめ
ARとVRの違いを明確に説明するのは難しいですが、一般的には以下となります。
・AR: Augmented Reality 拡張現実
・VR: Virtual Reality 仮想現実
ARはカメラで撮影している自分の世界に、他のもの、例えば宇宙人とか恐竜とか、が現れるようなものです。VRはまったく別の世界を疑似体験する感じですね。
今回紹介したスマートフォンはARを可能にするセンサー(デプスカメラとモーショントラッキングカメラ)が新たに搭載されることで従来のスマートフォンではできなかったARやVRの実現が可能になります。VRで使うモーションセンサーはスマートフォンの動きを検知して、映像の方向を変えたりするのに用いられています。
さらに、Googleが開発した「Tango」というソフトウェアというか、OSに近いものがセンサーからの信号を受け取って各種処理によりARやVRの映像を創り出します。スマートフォンの処理的にはARの方が重い処理になると思います。
360°VRの例を紹介します。Youtubeのスキューバダイビングの映像です。
Scuba Diving Short Film in 360° Green Island, Taiwan ( 綠島, 台灣) 4K Video Quality
スマートフォンならYoutubeアプリで観れます。最近はiOS版も3D VRに対応しました。デスクトップのブラウザーは基本的にはGoogle Chromeで観れますが、私の場合はなぜかWindows 10のChromeでは360°VRで観れないので、Edgeで観ています。
【3D VR】iOSのYoutubeアプリが3D VRに対応!ストリートビューアプリは?!
ではでは、きらやん