若い頃は内向的で、自分から何か発言したり行動を起こして周りの人を巻き込むような事が苦手でした。人の後ろに付いていくような人間だったのに、40歳を過ぎた頃には管理職としてグループのリーダーを任されました。他人を観察しフォローすることの大切さとは?
ターニング・ポイント
若い頃はシャイだったのに、30歳を越えるとそうも言っていられなくなり、40歳を越えると人が変わります。
個人的な感覚では、40歳を過ぎる頃に「人生のターニング・ポイント」がやってくるように思います。
私の場合は、30歳を過ぎる頃までは自分の中では自分が主役であり、人からどう見られているのか?とか、自分の欠点を克服するにはどうするべきか?といったことばかりを考えていました。
29歳で結婚して、それまでは小さな会社で一人で黙々と自分の仕事をしているのが好きでしたが、妻のススメで大企業に転職してからは、そうも言っていられなくなりました。
組織的に仕事をすることになると、自分の世界に埋没していても、やりたい仕事や好きな仕事は回ってきません。必然的に周囲を動かして、あるべき姿にしていく必要性を感じるようになりました。
そんな時に上司から言われた言葉が以下です。
「40歳を過ぎたら、自分の顔に責任を持てよ」
10年後の自分にどういうビジョンを持つのかは、その当時は全く想像が出来ませんでした。しかし、おそらくこれからの10年間の生き方や蓄積がターニング・ポイントでどう変わるのかを決めるような気がしていました。
30代の視点
自分の特性としては、リーダーとして人を引っ張っていくのは無理だと感じていたので、リーダーを補佐する役割なら出来るのではないか?と思いました。
そこで、上司を観察しフォローすることを意識的に始めてみました。
意識が自分から他人に向かう事で、その人の良さや悪さを観察し、良い部分を強調し、悪い部分をカバーするという「フォローのプロになる」と決めました。
30代後半では、上司だけでなく、周囲のメンバーのフォローにもその範囲を広げていきました。
40代のターニング・ポイント
40歳を過ぎて管理職になり、30人くらいのグループを任されるようになると、必然的に意識を変えていかなければならなくなりました。
本来なら、メンバーの中でもトップ・クラスの知識や経験やスキルを発揮して、メンバーに正しい道を示し、自ら引っ張っていくのが理想的です。
ところが、そのグループはプリンター・ドライバーというソフトウェアを開発するグループで、私は電子回路設計が専門で、ソフトウェアの開発は経験した事がありませんでした。
仕事上の知識や経験やスキルが無い人間がリーダーになるにはどうすれば良いのか?が当面の課題です。
もちろん、世の中ではそういうケースはよくある話で、アメリカに出張した時に知ったのは、向こうでは明確に「エンジニア」と「テクニシャン」に職種が分かれていて、エンジニアは新入社員でも個室を持ち、デスクワークの頭脳労働に専念していました。
ソフトウェアのスペシャリストとしての知識や経験値は自己啓発で学ぶとして、メンバーを目標に向かって動かしていくにはどうするべきか?が重点課題となります。
私が決めた方針は「水平分散型組織で、メンバーが自分の判断で動き、チームワークを発揮する」でした。
上司が10年前に私に言った「自分の顔に責任を持つ」事が、このターニング・ポイントでの勝敗を決めることになりました。
まとめ
リーダーの必要条件はメンバーのリスペクトだと思います。
そのために最も必要なリーダーの資質は「メンバーを信じる」能力だと思います。
それは「フォローのプロになる」と決めて学んだことが役に立ちました。
「リスペクトすることがリスペクトを呼ぶ」という循環的なプロセスをスパイラルに昇華してゆけば、チームは強くなり、能動的に課題の解決が出来て、成果が生まれると信じています。
シャイであることは、対象を他人に向けて観察することで、フォローすることの大切さがわかります。
「フォローのプロになる」ことをおススメします。
ではでは、きらやん