ジャパンクオリティー?日本のユーザーの意識の高さが生む高品質?!

日本の製品やサービスの品質の高さは企業が生み出しているのか?日本のユーザーの意識レベルの高さに着目している海外の企業経営者が語るジャパンクオリティーの本質について紹介します。Apple製品のクオリティーに大きく影響しているのは日本のユーザーの愛?

マーク・フェンロンへのインタビュー

私のように長年自作オーディオを趣味としている人間にとってリスペクトすべき人物が二人居ます。ひとりは日本人の長岡鉄男と、もう一人はイギリス人のマーク・フェンロンです。

長岡鉄男はオーディオ評論家で故人ですが、オーディオを愛する男の愛情表現として「メーカー製品は万人向け」として、手作りスピーカーを自ら設計・製作して「世界でただ一つのスピーカー」をアピールしていました。

マーク・フェンロンはマークオーディオ社の経営者ですが、一技術者としての発言やビジョンを語ることが多く、例えばソニーの創業者で言えば、森田昭夫ではなく井深大に近いと思います。

 

マーク・フェンロンが日本でインタビューを受けた映像が以下です。22分と長いので、時間の無い人は13分辺りから視聴してください。

マーク・フェンロン スペシャルインタビュー >>> YouTubeサイトへ

彼がリスペクトしているのは、日本のメーカーではなく「日本のユーザー」だということが分かります。

マークフェンロン

日本のユーザーの真実の声を「喉から手が出るほど欲しがって」います。それが今後のマークオーディオの「エンターテインメント・ビジネス」を変えていくと信じているように感じます。

Appleと日本のユーザーの関係

私が最初にApple製品を買ったのは1985年頃であり、初代Macintoshでした。当時は円ドル為替レートが200円台中盤で、急激に下がる前に買ったので時期的には非常に後悔しましたが、それから30年以上の付合いになります。

初代Macintosh

新機種が出ると買い替え、妻にもiBookを買ってやり、パソコンが苦手な従兄弟や妻の友人たちにもススメて買わせ、ボランティア・サポート・センターの社長に見立てられて「シャチョー」と呼ばれていました。

ですから、Macに投資した額を考えると恐ろしくなりますが、それでも十分に元は取ったと思います。

 

会社ではWindowsを使っていたし、フリーのLinuxも使っていたので、パソコン業界を俯瞰出来る立場に居ました。

その私の目から見たAppleは「生産財」メーカーだということです。

 

Windowsを使うユーザーの多くはサラリーマンのデスクワーク職だと思います。広い意味ではプロですが、パソコンへの依存度はそれほどでもないのではないでしょうか?

一方で、Macユーザーの多くはクリエーターです。しかもフリーランスが多いので、Macへの依存度は非常に高いと言えます。

 

Appleサポートに電話して問題解決の相談をする時に思うのは「解決するまで付合ってくれる」という安心感です。この姿勢は「生産財」メーカーとしての意識の表れではないか?と推測しています。

同時に最後に「他に何かありませんか?」と聞かれた時に、根がひねくれている私は一言苦言を言うことがありますが、そんな時でも「たいへん貴重なご意見をありがとうございます。あなたのご意見を大切にフィードバックしていきます」と感謝されてしまいます。

まとめ

Appleのデザインのルーツはブラウン?」なる記事を見かけたことがあります。実際に、Appleのデザインのチーフであるジョナサン・アイブがブラウンのディーター・ラムスのファンだということは有名です。

 

Apple製品独特の「ルック・アンド・フィール」はこうしたリスペクトから生まれているのだとは思いますが、近年Apple製品に大きな影響を及ぼしているのは「日本のユーザーからの愛」のように感じる事があります。

イイものはイイ」と堂々と言える日本人ユーザーのルーツは会津の「ナラヌものはナラヌ」のようにも思えますが・・・

 

かつては、富士ゼロックスに勤務し始めた当初はキヤノン社を敵とみなしていたので、Macintoshを購入する際も、わざとキヤノン販売のライバル会社から買いました。

しかしそのうちにキヤノン社をリスペクトするようになり、「ライバルとは、最高の理解者であり、最大の支援者」だという意識に変わりました。リコー社や他の事務機メーカーも同様です。

 

日本のユーザーの意識の高さの価値を、本当に理解しているのは、案外海外の企業だったりするのかもしれません。

日本の良さを見つめるには、海外に出てみると良いのではないでしょうか?

ではでは、きらやん