ヨドバシカメラが始めた現代版ポイントカード・システムにより、顧客の個人情報と商品情報をリンクして販売戦略に活用し高い利益率を得た戦略は、今では多くの分野で活用・応用されています。ではユーザーにとってのデメリットやリスクとは?
ゴールドポイントカード
1990年にヨドバシカメラが始めた現代版ポイントカードシステムは「ゴールドポイントカード」と呼ばれ、瞬く間にヨドバシカメラを家電量販店業界のトップに導きました。
今ではこのシステムを応用して、Amazonを通販業界でのトップに導きました。
では、どういう仕組みで企業はこのポイントカードシステムを活用しているのでしょうか?
一言で言うと「誰がいつどこで何を買ったのか?をビッグデータ化して販売戦略の分析を行う」です。
ポイントカードをユーザーが作る際に、ユーザーは個人情報を入力します。
企業はこの個人情報が欲しいので、買い物をするとポイントを付与して利益を還元する代わりに、個人情報を得るわけです。
さらに、ユーザーが販売店で商品を購入する度に、ポイントカードを提示することで、「誰がいつどこで何を買ったのか?」を企業内のビッグデータとして蓄積します。
このビッグデータを元にして顧客の購入傾向を詳細に分析し、プロモーションや顧客へのオススメ商品の選定や案内などに活用し、商品の仕入れや地域別の販売戦略などに活用しています。
このシステムを応用して、Amazonは顧客の個人別にオススメ商品や売れ筋商品を自動的に通販サイトに表示して販売を促進しています。
ユーザーはポイント還元と個人情報を企業とバーター取引している
一般的には、バーター取引は持ちかけた方が有利になります。
ポイントカード・システムの場合は、企業側が得るメリットの方が、ユーザー側が得るメリットより大きいと言えます。
さらに、企業側にはデメリットはほとんどありませんが、ユーザー側はけっこうデメリットとリスクを負います。
例えば、以下の記事で指摘されているような事例があります。
ためると損? ポイントカードの盲点 >>> 日経スタイル サイトへ
Facebookの個人情報流出被害に学ぶ
さらに、今後は「Facebookの個人情報流出被害」のようなケースが発生する可能性もあります。
「自動ログイン」に注意 フェイスブック個人情報流出 >>> 日本経済新聞サイトへ
Facebookトラッカー自体は特に問題は無いのですが、その仕組みを悪意のある者が悪用する可能性があります。ネットの世界では性善説は通用しません。
まとめ
ポイントを貯めて得をするために、自身の個人情報を企業に売るような行為はけっこう危険性を秘めています。
相手企業が、従来は信用のおける一流企業というケースが多かったかとは思いますが、最近ではポイントカードを発行する企業が必ずしも信用がおける企業とは限らなくなっています。
もしその相手企業やその社員や関係者の中に、悪意を持って個人情報を悪用するような人物や組織が現れた時に、はたして自分で自分の身を守れるITスキルや知識があるのか?と自問自答する時が来ているのかもしれません。
ではでは、きらやん