朝ドラ「半分、青い。」に最近登場している「そよ風扇風機」はどうも間接音スピーカーとどこか共通点があるように感じています。直接音を壁や天井などに反射させることで柔らかく拡がりのある音にするとは?
タイムドメイン・スピーカー
純国産のタイムドメイン社の由井啓之が提唱する「タイムドメイン理論」に基づいて設計されたスピーカーの総称ですが、Microsoft創業者のビル・ゲイツが愛用していることで有名になりました。
生演奏に近い音が出るスピーカータイムドメインlight/mini/Yoshii9 >>> びんちょうたんコム サイトへ
私が「間接音スピーカー」と呼んでいるのは、この内の「Yoshii 9」のように音が直接リスナーに届かないような構造のものを指します。
スピーカー・キャビネットの天井部分に上に向かってスピーカーを取り付けることで、壁や天井に音を反射させて間接音がリスナーに届くようなタイプのスピーカーです。
私が使っているのはBauXar(バザール)「Jupity301」というアンプ内臓のPCスピーカーです。
間接音を聴く工夫
Jupity301は低音が出ないので、夜間静かに聴く時などで使っていますが、通常はBoseの「Companion3」というサブウーハー付きのPCスピーカーで聴いています。
上記の写真のJupity301の後方のテレビの後ろに隠れているようなスピーカーがCompanion3の中高音用スピーカーです。
わざとテレビで半分隠して、テレビの後ろ側に音の半分を反射させて間接音も意図的に聴こえるように設置しています。
「そよ風扇風機」と間接音スピーカー
NHKの朝ドラで最近登場するようになった「そよ風扇風機」は、通常の扇風機の風を壁で反射させることで風自体を柔らかい「そよ風」に変えるような方向性です。
間接音スピーカーも似たような発想から生まれていて、通常のスピーカーのように直接音をリスナーが聴くのではなく、壁や天井で反射した間接音をリスナーが聴くことで、柔らかく拡がりのある音になります。
自作スピーカーでの実験がヒント
自作スピーカーを作ることを始めた中学・高校生時代に、スピーカーを上に向けて、スピーカーの近くに反射板を設置して音の聴こえ方をコントロールする実験をしていました。
反射板は最初はジョウロのような逆三角錐のような形のものにして、無指向性スピーカーを目指していました。
その後、逆に指向性をわざと利用して、クロス指向性のものを作ったりしていました。
つまり、リスニングポイントが左(右)に寄ると右側(左側)のスピーカーの音が強く聴こえるような構造にして、擬似的にスイートスポットを広く取るための工夫でした。
こうした実験をしているうちに、反射した間接音の方が直接音より心地よく聴こえることに気が付きました。
もちろん、オーディオ的には直接音の方が優れている事は言うまでもありませんが・・・
まとめ
特性が優れている直接音と、聴感上の心地良さが得られる間接音のどちらを選ぶか?というイチゼロの選択は無意味だと思います。
私の場合は、TPOに応じて臨機応変にスピーカーを切り替えて使っています。
さらには、BoseのCompanion3のように、半分が直接音で半分が間接音のようなセッティングを採っているものもあります。
「生活の中に溶け込むオーディオ」という観点からは、ライフスタイルに応じた好みの音を自分なりに探し出すのが楽しいのではないでしょうか?
ではでは、きらやん